命のやりとりをする武将がトラウマを抱えない訳がない。戦国武将が茶室を愛するのは「今」に生きるためである。
「心はリセットできる」の肝は「異世界に行くこと」である。茶室は異世界だと考える。今で言うところのVR(仮想現実)である。茶室で掛軸や屏風を眺めるとそれは窓の様に異世界を見せてくれたからである。
美術展の展示(京都 細見美術館展 PartⅡ 琳派・若冲と雅の世界)が絶妙で、茶室もしくは当時の室内の明かりと、作品までの距離、目線の高さをそろえていた。絵を眺めると異世界が広がっているように見えた。「金箔」もロウソクと同じ色温度の光の中で見ると、そのもの自体が輝いているような効果だと気が付いた。
ブログでは近くても旅行でいつもは見ないものを見るようなことを書いたが、庭園、茶室を持つ建物はその場所に行くだけで「異世界」を感じられるのである。
日本のこれらの美術を、正面から撮影した写真でのみ鑑賞していたのではこの感覚には到達できなかった。感謝である。
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